今日は春の嵐に木々は揺さぶられ、酒の箱は飛び、空瓶は割れて大騒ぎだが、蔵内では外界の風の音に動ずることなく粛々と作業が行われている。これは4人がかりで粕袋をセットしているところ。準備が終わると、この粕袋にもろみを注入し酒と酒粕に分ける上槽(もろみを搾ること)だ。しかし、こういう旧来の縦に押す搾り機(槽)は最近少なくなった。人手が一人で済む横からプレスする大型のアコーディオン式のが主流。どっちがいいかって?作業効率を別にして、良い酒としっとりとした厚みのある酒粕を得ようと思えば、旧式に軍配が上がるのである。